マンションのキッチン・浴室リフォームでは、戸建てにはない制約があるため、リフォーム内容や費用、工期だけでなく、マンションの管理規約の確認と近隣住民への配慮が最も重要になります。
マンションのリフォームは、基本的に「専有部分」のみが対象となり、玄関外の廊下や窓サッシ、ベランダなど「共用部分」はリフォームできません。リフォーム計画を立てる際には、事前に管理規約を確認し、工事内容が規約に違反していないかチェックすることが不可欠です。
Q
マンションでキッチンと浴室をリフォームする際のポイントはなんですか？
A
キッチンのリフォームポイント
- レイアウトの変更
- 戸建てと異なり、マンションは配管の位置が制限されていることが多く、キッチンの場所を大きく移動させることは難しい場合があります。壁付のキッチンが形式を変えられない場合でも、キッチンに並ぶ形で作業カウンターを設置してⅡ列形式にすることで、キッチンを広い空間にリフォームすることが可能です。
- 搬入・搬出
- 搬入経路にエレベーターがない場合や、搬入口が狭い場合は、追加の費用が発生することがあります。
- 機能性の向上
- 大掛かりな間取り変更が難しくても、最新のシステムキッチンに交換するだけで、収納力や使い勝手が大幅に向上します。食洗機やIHクッキングヒーターの導入も、可能な場合があります。
浴室のリフォームポイント
- 工法の選択
- 既存の浴室がタイルなどで作られた「在来工法」の場合、工場で製造された「ユニットバス」へのリフォームが一般的です。ユニットバスは、防水性が高く水漏れリスクを抑えられる上、断熱性も高いため、冬場の寒さ対策にもなります。
- 費用と工期
- リフォーム費用は、現在の浴室の工法や選ぶユニットバスのグレードによって大きく変動します。
- ユニットバスからユニットバスへの交換：約60～100万円（工期目安：3～5日）
在来工法からユニットバスへの交換：約70～180万円（工期目安：5～10日） - サイズ
- マンションの浴室は、戸建てと規格が異なるため、マンション向けのサイズのユニットバスを選ぶ必要があります。
トラブルを防ぐ、マンションリフォームの事前チェック
マンションリフォームの成功の鍵は、工事前の準備にあります。具体的なリフォームプランが決まったら、必ず管理組合に内容を報告し、規約違反がないか確認しましょう。また、工事中は騒音や振動が発生するため、事前に近隣住民に挨拶をしておくことで、トラブルを回避できます。工事期間中はお風呂やキッチンが使えなくなるため、その間の生活手段もあらかじめ確保しておくことが大切です。
